歯周ポケットを改善したい!皆がやっている対策方法とは?

歯周ポケットは少しずつ深くなる
「歯周ポケット」という言葉は、テレビなどでもよく聞くようになりましたが、何か対策していますか?
そもそも歯周ポケットとは、健康な状態の歯茎にもある1~2ミリ程度の浅い溝で、歯垢(プラーク)が溜まりやすい部分です。このプラークは単なる汚れではなく“細菌のかたまり”で、プラーク1mgあたり10億個もの細菌が棲んでいます。プラークに生息している悪玉菌が、繁殖しながら口臭の原因となるガスを発生させたり、虫歯や歯周病を発症させます。
歯の磨き方が適切でなかったり、歯並びなどに問題があると浅い溝にプラークが蓄積し、健康な歯茎に浸食して炎症を起こします。歯茎が赤くなったり、歯磨きの時に血がにじんだりするのはこのためです(他の疾患の場合もあります)。
このように、歯周病菌による浸食が進むと歯周ポケットは少しずつ深くなり、深さが4ミリ程度になってくると、少し踏み込んだケアや治療が必要になってきます。
歯周ポケットは4ミリ以下に抑えたい
歯茎が健康な状態であっても元々1~2ミリ程度の浅い溝はあるため、歯磨きなどのセルフケアのやり方次第で、歯周病になるかどうかが大きく左右されます。
忙しかったり面倒に思っていると、歯磨きが雑になりがちな人も多いと思いますし、危機意識がなければ毎回全ての歯の歯周ポケットに気を配りながら完璧にプラークを取り除くのは難しいことです。それに、歯並びが悪い場合はなおさらです。そのため、日本人の中高年の8割以上は歯周病に罹っていると言われる程、身近でなりやすい口腔内疾患なのです。
歯周ポケットの深さは歯科医院に行くと測定できます。ポケット探針という、目盛りが付いた物差し状の細い針のような器具を、歯と歯茎の境い目に差し入れて測ります。歯周ポケットの深さは歯によって異なるため、1本ずつ測定してくのが通常です。
歯周病は自覚症状がほとんど無いため、知らないうちに歯周ポケットも深くなっていきがちです。歯周ポケットが4ミリ以内であれば、セルフケアで症状を改善させることが可能ですし、ケアが難しい場合でも歯科医によるスケーリング(器械によるプラーク・歯石除去)で対応できます。そのため、目安としては4ミリを超えないように歯周病予防ケアをしていきましょう。
“磨き残し”に要注意
口の中は凹凸が多く複雑な形状をしているため、通常の歯磨きではどうしても磨き残しが出てきます。歯周病にならないためには、磨き残しによるプラークを落とし切るための工夫が求められます。
プラークを効率的に除去するには、歯科医や歯科衛生士に歯磨きの適切な方法を指導してもらうと共に、自分でできる歯のお手入れアイテムやグッズを取り入れることをお勧めします。人によって歯並びは違うため、その人に合った磨き方やケアをする必要があります。1分もかけずに自己流で歯磨きしているという人は要注意です。
歯周ポケットが4ミリ以下の対策方法
先ほど述べたように、4ミリ以下の歯周ポケットであればセルフケア次第で改善の余地があります。中高年で歯周病ケアへの意識が高い人は、以下のような手軽なオーラルケアグッズを使って予防・対策しています。
- 歯周ポケットに届く細い毛先の歯ブラシ(歯茎を傷付けないやわらかめなものがお勧め)
- 歯周病による歯茎の腫れや出血に作用する歯磨き粉(なた豆やプロポリスなどが配合されたもの)
- 歯間ブラシ/デンタルフロス(歯と歯の間のプラークを集中的に取り除く)
- デンタルリンス(歯垢が付着しにくいよう予防する)
- 歯茎をマッサージする道具やジェル(歯茎の血行促進になります。指の腹を使ったマッサージでもOK)
- 舌苔ブラシ(口内の悪玉菌を減らし、口臭予防にもなります)
歯周ポケットが6ミリを超えたら危険
歯周ポケットが4ミリを超えたり、6ミリなど重度な歯周病に進行しつつある場合、歯を支える役割の歯槽骨まで壊されていることが考えられます。特に6ミリ以上まで深くなると、歯がぐらついたり、食べ物を噛むと痛みがあったり、歯が浮くような感覚に見舞われます。
歯周ポケットがそこまで深くなっても、「デントール」のような歯周ポケット専用の電動歯ブラシを使ってセルフケアを続けることも可能です。これは、水流と共に細い毛先が歯周ポケットに届き、深く入り込んだプラークを洗浄するもので、実際に歯周病が改善したという声もあります。
とは言え、器具の使い方を誤ったりすると意味が無くなってしまうので、ここはセルフケアだけに固執せず、歯科医による専門治療を受けましょう。
一般的に、歯周ポケットは6ミリを超えると、歯を抜かなければならないリスクが高まります。歯科医での治療についても、スケーリングに加えて歯周ポケット内の汚れや歯根に付いた歯石除去のためにルートプレーニングや外科的治療が必要となります。
こうなる前に、上記のような歯周ポケットのセルフ対策ケアを実践するようにしましょう。